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離散系シミュレーション

離散系シミュレーションソフトとは

離散事象型シミュレーションとも呼ばれ、待ち行列タイプのモデルのシミュレーションで、実際或いは提案されたシステムを模倣するコンピューターモデルを作成するツールのことです。
(事象とは、顧客の到着やサービスの終了などのイベントを意味します。)
待ち行列が発生する事象の処理をモデル化し、例えば銀行の日常的な運営、工場の製造ラインの実行、病院の人員配置、またはコールセンター等の各工程をシミュレーションで再現し、目標とするパーフォーマンスに達しているか、どこにボトルネックがあるかなどを確認できます。
離散系のシミュレーションによって、システムのボトルネックの発見やパフォーマンスの最適化を行い、生産性の向上やリードタイムの短縮等を実現することが可能です。

 

時間をベースにしたシミュレーションであり、すべての関連するリソース及び制約はもちろん、時間が経つにつれてこれらの事象が相互にどう作用するかも考慮します。

 

また、実生活に見られるランダムさも構築に取り入れられます。

 

たとえば、接客は常に5分かかることなく、顧客も15分ごとに入店することもありません。つまり、できるだけ現実に近いシミュレーションを行い、そしてシミュレーションでそれらを変更する際、システムが実際にどのように動作するかデモすることができます。

 

シミュレーションソフトを導入すると、試したいアイディアがあれば、すぐに試すことが出来て、コストも実際に企業で行うよりわずかしかかかりません。短時間でアイディアの是非が確認できるため、より多くのアイディアを生み出せることにより、多くの見識を得られる上に、組織をより効果的な方法で運営できます。

シミュレーションソフトのしくみ

シミュレーションの実行ボタンを押せば、作業の過程(製品・患者・書類など)及び流れを確認することができます。画面の隅にある時計は実際のシステムの時間を示します。

 

シミュレーションは視覚的なイメージを与え、動画化してくれます。新しい施設を視覚化し、そして、既存の施設で行う実験の効果を視覚化することによって、よりわかりやすくなります。主なボトルネック、過度な人材・資源活用及びシステムに不足な部分までも視覚化されます。

 

シミュレーションソフトは、モデルが実行される間に自動的にパフォーマンスを測定し、情報収集してくれるので視覚的に状況を理解できる上に、正確な数値結果も得られます。

 

代表的な出力は次のとおり:

・在庫

・処理能力

・ボトルネックとなる利用率

・生産性

 

代表的な入力は次のとおり:

・サイクルタイム

・人員のレベル

・到着率/発注率

・平均の発注サイズ

何をシミュレーションすることができますか?

様々なシナリオをシミュレーションすることができます。原則として、離散事象を伴いプロセスフローがあるシステムであれば、シミュレーションすることが可能です。簡単に言えば、フローチャートを描けるプロセスであればシミュレーションすることができます。

 

プロセスが、時間が経つにつれて変更されるもの、或いはランダムさを伴うものであれば、シミュレーションの利点を存分に実感できます。例えば、次の車がいつガソリンスタンドに来るかは誰にもわからないですし、その顧客がガソリンだけを購入するかも推測することができません。このような複雑なシステムを効率良くモデリングするにはシミュレーションの他に方法はないでしょう。

どうしてシミュレーションするのですか?

シミュレーションソフトを使用することにより、様々なプロセスを改善できます。:
 資本資産からみて、より高い品質・より高い効率、より良い在庫管理、より高い資産利益 等々 数え切れません。確かに、これらの改善策の一部はシミュレーションを行わなくても見いだせるのですが、では「どうして他の方法より、シミュレーションを選ぶのでしょうか?

シミュレーション vs 実際の実験

コスト:
実生活での実験は非常にコストがかかります。人材・設備などの設備投資だけでなく、これらの決定による波及効果においても相当コストがかかります。例えば3人のスタッフを解雇し、最終的に仕事量が増えすぎて、顧客を失ってしまう展開は望ましくないでしょう。シミュレーションソフトを使用した場合、コストはソフトの購入とシミュレーションを構築する工数のみです。

 

再現性:
実生活の中、まったく同じ状況を正確に繰り返すことはかなり難しいことです。実際に、結果収集の機会も一回しかないため、同じ状況の中で、何回も違うアイディアを試すことはできません。最終的にどちらの選択肢が最適なのか知ることは難しいことです。シミュレーションソフトを導入すれば、同じシステムで様々な入力を何度もテストすることができます。

 

時間:
例えば3名の医師を雇うことで次の2年間で患者の待ち名簿が減るかどうかを知りたい場合、実際には2年間待たないと分かりません。シミュレーションを行えば、数秒間で2年、10年、或いは、100年というシナリオを実行することが可能になります。やるべきことに遅すぎることなく、直ぐに答えを得られ、実行することができます。

シミュレーション vs 他の数学モデリング手法

ランダム事象の相互作用:
他の数学ツールは、効果的に定常状態のシナリオをモデル化することは可能ですが、ランダムさを構築に取り入れられるのはシミュレーションだけです。例えば、突然の機械故障とその結果がもたらす影響を視覚で確認できます。シナリオが複雑になればなるほど、シミュレーションソフトの能力が発揮されます。

 

非標準分布:
多くの数学的手法は、状況を表すために近似として強制的にモデルを構築します。例えば、接客は平均5分かかると設定されます。ですが、実生活では4品の場合は、3分かかり、20品の場合は、7分かかったりします。近似の手法を取ると、リソースの活用時間あるいは顧客の待ち時間が曖昧で不正確なものとなってしまいます。シミュレーションだけが、実生活の中と同じように事象やタイミングの表現に柔軟性を与えることができます。

考えてみてください

シミュレーションは、プロセスのあらゆる側面を議論させるための手段を提供します。規則とデータ収集を通して、なぜ物事がこういう形で働くのかを考えさせ、そして現在よりもっと良い形にできないかと考慮させます。また、単独に働くプロセスのセクション間の矛盾点及び非効率性を表面化させてくれます。場合によっては、シミュレーションが完了する必要はありません。問題を通じて考えるために提供されたフレームワークによって問題の解決法を明らかにすることもあります。

コミュニケーションに

シミュレーションソフトは視覚的なイメージを与え・動画化させるため、相手に提案を明確に説明することができます。さらに結果だけではなく、プロセスも可視化できるため、相手も流れを理解しやすく、プレゼンターの説得力も倍増します。シミュレーションを使用することにより、アイディアを効果的に伝えることができるため、今では多くの企業が自社製品の販売業績を伸ばすためのツールとして使用しています。

以下に、製造系の離散系シミュレーションのサンプルを示します。